【~反グローバリズム?本当はダークな魔法物語~ファンタスティック・ビーストと魔法の旅】 | ザ・体験談※以下、多少のネタバレあり。

【ファンタスティック・ビースト見てきました♪】
皆さま。明けましておめでとうございます♪

かつては年200本くらいの映画を見ていた私。
ここ何年かはあえて映画を見ることは
控えておりましたが、今年はそれを解禁。

『大作~カルト作品まで制限を設けず、
なんとなく気になった作品を見てみよっと♪』

というゆる~いノリでTOHOシネマイレージを
作ってみたりしています(^_-)-☆

そんな中、なんとなく見に行った
『ファンタスティック・ビーストと魔法の旅』。

これが色々な意味で『想像の外側』
面白かったため、今回ブログにアップ
することにしました。

「ハリウッド大作なんて興味ない」
というあなた。

ちょっと寄り道して以下を読んでみて
くださいな♪

 

【ファンタスティック・ビースト
ざっくりあらすじ】
と言っても映画を見に行ってない人も
多いと思いますのでここでざっくりと
あらすじを。


時は1926年。

ヨーロッパでは闇の魔法使い
『グリンデルバルト』が猛威を振るい、
北アメリカでも魔法が原因と思われる
不可解な現象が次々発生。

魔法使いとその社会が魔力を持たない
普通の人々(ノー・マジまたはマグル)に
発見されかねない危機が発生していました。

そのためアメリカ合衆国魔法議会(マクーザ)
はアメリカ及び同国を訪れる魔法使いたちに
対し公の場で魔法を使うことはもちろん、
ノー・マジとの接触を全面的に禁止。

かつての魔女狩りに代表される人間界と
魔法界との衝突を避けるため、
徹底的な管理体制と秘密主義を
貫いていました。

そこに現れたのが
主人公ニュート・スキャマンダー。

世界を回り魔法動物の観察と保護を
行っているニュートは『ある目的』の
ため、ニューヨークを訪れます。

しかしここでトラブル発生❗️

ノー・マジであるジェイコブの
トランクと魔法動物たちを閉じ込めた
ニュートのトランクが入れ替わって
しまいます。

それがきっかけとなり、ジェイコブと
共に大きな陰謀に巻き込まれてしまう
ニュート。

果たしてニューヨークを襲う怪異の
正体は?

人間界と魔法界をめぐる事件の行方は…。

というのが大体の流れ。

CG技術を駆使して作られた不思議で
キュートな魔法動物達、派手な魔法の演出、
今をときめくエディ・レッドメインと
いった豪華俳優陣。

更に作品テーマも事前の告知では
『恋と友情』、『異なる存在との共存』
など一見

「良くも悪くもハリウッド」

と言った感じなのですが…。

 

【魔法使いは、自由じゃない】
「あれ?あれ?」

明るく楽しい魔法ストーリー。
しかし本編を見るうちにいい意味で
その前情報は打ち破られました。

何と言っても興味深いのは

『魔法使いたちはちっとも自由じゃない』

ということ。

あらすじでも書きましたが、アメリカの
魔法使いたちはノー・マジに正体が
ばれないよう、魔力の使用は
『魔法使いが集まる場所』または
『自宅』などに限定。

破壊された建物を元通りにする力が
あっても、遠く離れた場所に移動する
能力があっても、超一流の料理を
作る魔法を習得していても。

彼らはその力をごく限られた場所、
家族などごく限られた人々に
対してしか使うことができません。

正体がばれる危険を排除するため、
ノー・マジとは交流はおろか、
接触もNG。

万が一正体がばれた場合には
忘却の魔法を相手にかけて記憶を
消すという徹底ぶり
(ただし大人数には対応できないので
基本は1〜数人に対する対応)。

それというのも外には
『セーレム救世軍』をはじめとする
アンチ魔法の組織やその他の人々の
目があるから。

万が一多くの人の目に触れれば、
新聞などのメディアであっという間に
世界にその他の存在が明らかに
なってしまいます。

どんなに強大な力を持っていても
それを開放することができず、
友達や恋人になる人も制限される。

むしろ力が強ければ強いほど
ばれないよう、抑え込まなくては
ならないという…。

「なんだかすっごく生きづらいわ〜^^;」

というのが
『ファンタスティック・ビースト〜』
の魔法使いたちなのです。

 

【ニュートの矛盾】
そこに現れたのが主人公ニュート。


魔法動物を愛する変わり者で、
諸国を回り動物達の観察をする彼は

『魔法動物が無害な生き物である』

ことを世間に伝えるために

『幻の動物とその生息地』

を執筆中。

型破りな彼が世界を救い、魔法界と
人間界の垣根を取り去り、その心を
開放する…というのが物語の
王道パターンなのですが…。

しかしそうはすんなり行きません。

その展開を阻むのがニュート
自身が持つ『大きな矛盾』

ありとあらゆる制限をかける
アメリカ合衆国魔法議会に対し

「そんな規則があるから、
マグルとは友達にもなれない」

と批判的な発言をするニュート。

しかし

『人から守るために』

彼は自分の『魔法のトランク』の
中に多くの魔法動物を、
『保護』の名の元に閉じ込めて
います。

魔法の力で中には美しい、広々とした
世界があるものの、結局はトランクの中。

『人(ノー・マジ)から守るために』

アメリカ合衆国魔法議会のやっている
ことと、ニュートが魔法動物達に
対してやっていることは実は大差が
ないのです。

しかもこの矛盾にニュート自身が
気づいていません。

結局議会を批判しながら、また致し方ない
理由ではあるのですが、ニュートは
議会の方針に従う結果になる、
『ある行動』を終盤にとります。

それは同時に彼が愛する魔法動物に
とっての『最良の選択』を放棄する
ことにもなるのです。

『表面的は自由。しかし実際は彼自身
矛盾を抱え、他の人同様、魔法界の
ルールに縛られている』

それが主人公ニュートの現状での
姿です。

 

【自由なノー・マジ】
本作で最も自由なキャラクターを
あげるとすれば、ノー・マジである
ジェイコブです。


帰還兵であるジェイコブは望まない
工場勤務から一念発起し、祖母直伝
のレシピを使ってパン屋を開業しよう
としています。

その最中魔法使いたちのドタバタに
巻き込まれてしまうわけですが…。

ジェイコブの大きな特徴は

『基本的になんの役にも立たない
こと(笑)』

彼は確かに物語のきっかけとなる
出来事を引き起こしますが、
その後はとにかく色んな人に
お世話になりっぱなし。

重要な場面にもちゃっかり参加しますが
これといった活躍はなし。

それにもかかわらず?どういうわけか
ジェイコブは魅力たっぷり。

いつの間にかニュートやヒロインのティナ、
その妹クイニーの心を惹きつけます。

それと言うのも…。

彼が魔法よりずっと強い力

魔法使いたちが封じられてしまっている
『自由な意志』
『自然体で境界線を飛び越える力』
持っているからだと感じるのです。

『巻き込まれ型』
『仕方なく連れて行く』

という形ではありますが、
彼は『魔法界と人間界』、『人と魔法生物』、
そして『人の心』。

作中ジェイコブは、強い魔力を持つ者でも
飛び越えられない壁を、いとも簡単に
飛び越え続けます。

そもそも缶詰工場の職員→
パン屋になろうというのも
与えられた環境から飛び出そう
という彼自身の意志から。

最後のちょっと切ない選択肢についても
避けられないこととは言え、誰に
強制されることなく、ジェイコブは
自分の意志でそれを受け入れます。

周りのやり方を批判しながら結局
その方針に従わざるを得ないニュートとは
正反対の存在なのです。

そもそも工場での大量生産が主流となりつつ
あるのに、あえて個人商店のパン屋を開業
しようとするあたり。

ジェイコブが大きな流れに巻き込まれながら
もそれに飲み込まれず、自然体で自分を
貫くことを表しているのではないか?

今世界を覆いつつあるグローバリズムや
全体主義への批判ではないか?など。

色々なことが想像でき、それがまた面白い
のです♪

ちなみにジェイコブ役の
ダン・フォグラーは俳優以外にも
コメディアンやクリエイターでも
あるマルチタレント。

『愛すべきダメ男』を演じることに
定評(?)のある方らしいですが、
そのくるくる変わる表情が
とにかく魅力的♪

チャップリンが演じてきたキャラを
彷彿とさせるお人好しで不器用、
ユーモラスでちょっぴり切なさを
感じさせる演技。

大事なシーン、印象的な場面に
おいて表情だけで心情を見事に
表します。

クイニー、心が読める設定だけど
ジェイコブに対してはあんまり必要
ない気が(笑)

ニュート役のエディ・レッドメインも
アカデミー賞主演男優賞をとって
いるくらいの演技派ですが、1番の
見せ場がジェイコブに設定されていた
こともあり…。

さすがに今回は食われちゃってました♪

 

【これからどうなる?】
作中の事件はとりあえず解決しますが、
魔法界の厚い壁によりジェイコブと
ニュート達の心の交流は一旦は
断ち切られてしまいます。

数多くの波乱の種とわずかな
希望を残して…。

さっきも書きましたが本作の
時代設定は1926年。

作中でも少し触れていましたが、
アメリカでは『狂騒の20年代』
を迎えて大量消費社会が始まる
一方、その数年前に禁酒法が施行。

貧富の差も拡大し、ファシズムの
種がまかれ始めた時期でもあります。

閉塞された時代の空気。

それが作品にうまく取り込まれて
います。

これから時代は世界恐慌、更には
第二次世界大戦とより息苦しい
時期に突入していきます。

5部作になることが決定した
『ファンタスティック・ビースト〜』
もそれに応じて、更におも〜く、
くら〜くなることが予想されます。

まぁ、『ハリーポッターシリーズ』も
導入部は明るいファンタジー→
話が進むごとにダークさが前面に
出てきましたものね〜。

ハリーポッターシリーズですでに
『結果』のいくつかがすでに描かれて
いますがそこに到達するまで物語が
どう進んでいくのでしょうか?

ニュートの矛盾はどのような形で
『解放』されるのか?

ジェイコブとニュート達の再会も
含めて楽しみです(*^^*)

できればジェイコブは最後まで
ヘンに大活躍することなく、
橋渡し、見届け人としての役割に
徹していただきたい(笑)